小説

不良の河野くん。

起きるのが辛い朝、変化のない通学路、決められた時間割で進む生活、退屈な授業、エトセトラエトセトラ。 そんな日々の学校生活にも毎日やってくる幸せがある。 そう、昼休みだ。 学生に与えられた唯一無二の自由時間。 いや、そこまでは言いすぎか。 でもそ…

勇者の大川さん。

太陽様の日差しが窓を通して熱波を伝えてくる中、教室には先生が黒板にチョークを立てる音だけが聞こえる。 夏。 うちの学校は田舎だから、エアコンなんて便利なものはなくて茹だるような暑さだ。 大体このご時世にエアコンがないなんてどういう了見なんだろ…

休み時間の菅原くん。

昔昔あるところに菅原という少年が居ました。 菅原くんは声の大きな男の子で、いわゆるクラスの中心グループのひとり。 今日の休み時間もまた、クラスの違う子の机を椅子替わりに、クラス中に聞こえる声で話す菅原くんの声が聞こえる。 「でもさ〜やっぱ須藤…