晴れパ考察ばなし

春の訪れを感じますね。

どうやら春晴れと花粉は比例関係にあるようで、花粉症持ちとしては良いお天気と言いづらくあります。

 

こんな日を巷では「晴れパの中のチェリム」と言うらしいです。

いつもの如く、今考えたんですけど。

 

 

そんなわけで、今日は晴れパの中のチェリムなので、下界で花見をする人を丘の上から見る遊びをしています。

この遊びの肝は、〝 下々の娯楽を鼻で笑う高貴な方の気持ちになること 〟なので、試してみたくなった人は参考にしてください。

ちなみに、人が通る度に「この人ひとりで何やってるんだろう」という視線を感じますが、それは我慢です。

 

下々の民を観察することにも飽きたし、せっかく高貴な方々の気持ちになったついでに、和歌でも綴ってみるか、と思ったけれども上手くいかなかったので仕方なしにブログを書いています。

 

 

 

そういえば

和歌で思い出したあの人が、

『花の色は うつりにけりな いたづらに 我が身よにふる ながめせしまに』

という小野小町の歌が好きだと言っていた。

和歌で思い出されるなんて、きっと古風で雅な、素敵な人なんだろうな、多分。

なんだか憧れちゃうね、そういうの。

 

 

この和歌のせいで、高貴でも下賎でも等しく老いる人間の卑小さを思い知って、この遊びが虚しくなってきたから丘を降りたんだけど。

小野小町め、中々やりおる。

 

まあ、降りた先でガキに追いかけられてた鳩に比べてみたら、人の身もいくらか上々かなって思う。

 

 

よくよく考えてみれば、春晴れの日は花粉が酷いと言いたくて、晴れパの中のチェリムなんて言っちゃうやつが和歌なんて烏滸がましいにも程があった。

 

 

春風が前髪の分け目と反対向きに吹いているのが鬱陶しくて仕方ないので、今日はこの辺で辞めます。

 

 

チェリムよりランクルスが好きだし、花より煙草が吸いたいな。

2月を終わらせない方法

どうもこんばんは。

2月も終わりますが、ご機嫌いかがですか?

僕はS字カーブを走行する時に中央線を無視して走行すると、ご機嫌になります。

でも2月は28日しかないのでS字カーブを曲がっても全然ご機嫌ななめ。

 

なんで28日しかないの?2月だけやる気ないんじゃないの?

とキレたので調べてみたところ、どうやら昔の暦では年末に当たるので日にちが少ないらしいですよ。

じゃあ今は全然関係ねえじゃねえか~!

 

ということで、

2月を終わらせない方法を考えました。

 

 

まず直径25mの魔法陣を描きます。

中心に、イモリの干物・シャープペンシル・消しゴム・どん兵衛(赤いやつ)・ヘラクレスオオカブト・小学校2年生の0点の数学のテスト・北斗の拳全巻・タッチ19巻・タイムマシーンを置きます。

タイムマシーンを起動して過去に飛び、ユリウス歴を改正します。

 

博士は言いました。

「タイムマシーンで過去に戻るには同じだけの日数を異空間で過ごすことになるんじゃ。」

 

 

頑張ってユリウス暦を変えてくるぞ~!!!

ナマケモノたちの

毎日洋服を選ぶのが面倒だと思う。

それはお洒落さんならば、ある程度はお洋服の組み合わせを考えるのも楽しいだろうけど、しかし凡人な此方として朝の時間割の中では逸早く省くべき部分なのだ。

 

人間は、毎日デートに臨むような気合いの入れ方が出来るようにはなっていないので、日々コーディネートを考えるだけで、疲労困憊、満身創痍、精疲力尽。

本当に面倒になってしまうと外出自体やめてしまうし、今もコーディネートという言葉の長さにうんざりしている。

 

そんな話を知人にしたところ、WEARというアプリを勧められた。

話を聞いてみると、どうやら、おしゃれ自慢達がそれぞれのセンスを武器に殴り合う場所らしい。

野蛮なアプリである。

 

 

まあ、折角の好意を無駄にすることもないので、実際にインストールしてみた。

すると、アプリを開いた途端、画面いっぱいにコーディネートが並んでいて目眩がした。

そういうことじゃない。

此方は、もうそのたくさんのコーディネートの中からひとつ選ぶのも面倒臭いのだ。

 

世の中はナマケモノたちの思考を全然分かってなかった。

 

今度のデートの時には充分に参考にさせてもらうけど。

 

 

 

 

もっと上手い方法がないだろうか、ともう一度、朝の洋服選びを放棄し、ZIPを視界に入れながら頭を捻ってみると思い出したことがある。

佐藤オオキというデザイナーが居る。

彼は同じシャツを何着も持っていて、毎日同じ格好をするらしい。

 

なるほど、それならばその真似をしようと、白いシャツを何着も買ってみた。

今度はシャツのボタンを閉めるのが億劫になった。

なんという業の深さ、ナマケモノ精神。

 

 

 

そんな折に、知人達とアプリを考える機会があった。

確か、アプリ開発の会社で働いてる知人との会話の中で流れた話題だったと思う。

多分もうその会社は辞めてしまっただろうけれど。

あの人も中々に業が深いナマケモノ仲間だ。

 

そんなナマケモノたちが集って、ナマケモノたちによるナマケモノたちへのアプリを考える。

ならばもういっそのことアプリに全て決めて貰ったらどうだろうかという話になった。

 

服の色すら選ぶのも面倒臭い、色彩センスなんて光ってないナマケモノたちのために。

携帯の現在地から気温℃、気圧pH、湿度%、風速m/s、等を読み取ってその日の色の組み合わせを決めてしまおう。

そうしてくれたらきっとナマケモノたちはその通りに生きる。

まさにこれが世界で流行したら、毎日、世界が同じ色で征服されるのだ。

 

 

朝の通勤、同じ色を纏った人間たちが一斉に電車を待っている想像に、ウミイグアナの日光浴をイメージさせられた。

 

 

なんだかとても愉快だ。

 

 

 

 

たまには違う銘柄の煙草が美味く感じる。

 

不良の河野くん。

起きるのが辛い朝、変化のない通学路、決められた時間割で進む生活、退屈な授業、エトセトラエトセトラ。

そんな日々の学校生活にも毎日やってくる幸せがある。

 

そう、昼休みだ。

 

学生に与えられた唯一無二の自由時間。

いや、そこまでは言いすぎか。

 

でもそれくらい、この一時間足らずの時間が学生にはこよなく大切なのだ。

昼休みのために、授業に勤しんでいると言ってもいいだろう。

他の人がどうだか知らないが少なくとも僕はそうだ。

 

 

そんな昼休みをさらに素晴らしいものにする為に、重要なことがある。

 

そう、場所選びだ。

 

例えば、教室で食べようものなら、また聞きたくもない菅原くんのご高説を賜ってしまうだろうし、食堂には他学年のグループ達が立ち塞がっているだろう。

空いているテーブルを探している間に料理が冷めてしまうのが目に見えている。

 

トイレや屋上、校舎裏なんてところは有り得ない。

トイレは臭いでご飯が不味くなるし、屋上が空いてる学校なんてアニメの中だけだ。

校舎裏で飯を食うなんて、いつご飯に砂埃が入るか分かったもんじゃない。

 

 

この問いの満点正解は空き教室だ。

誰にも邪魔されない静かな空間で、ご飯とおかずを完璧な比率で食べることが、一番美味しいお昼ご飯の食べ方なんだ。

 

異論は認める。

 

 

 

そんなわけで、僕は空き教室でいつもお昼ご飯を食べているのだが、今日はちょっと様子が違う。

 

それは僕が弁当箱の蓋をいざ開けようとした時の事だった。

 

「ちっ、どこにやったんだよ…。」

 

悪態をつきながら教室に入ってきたのは河野くんだ。

河野くんは口調が荒く、授業いつも居眠りをしているような破天荒くんで、クラスの皆から微妙に距離を置かれている。

いわば、不良というやつだ。

 

つまり、教室で一対一になるには非常に気まずい。

 

「くそっ、見つかんねえな…。」

 

何を探してるんだろう。果たし状かなにかだろうか。

あっ、目が合った。

 

「なぁ、この辺で黄色の弁当箱見なかった?」

 

「い、いや、見てないよ。」

 

まさか話しかけられると思ってなかったので、吃ってしまった。別に河野くんが怖い訳ではない。

 

「まじかよ、どこにやったんだよ…。」

 

なんで河野くんは空き教室に自分の弁当箱があると思ってるのだろう。気になるな…聞くか?

河野くんは教えてくれるのだろうか。

いや、このまま聞かなかったら気になって夜も眠れないかもしれない。

よ、よし、聞くぞ…!

 

「なんで弁当箱を…?」

 

「あ〜、さっきの授業中に早弁しようと思ったんだけどよ、中々おもしれえ授業だったから食べるの忘れちまって、弁当箱も置きっぱにしちったんだよ。」

 

ん…?不真面目なのか真面目なのかどっちなんだ。

というか、ここの前の授業中って数学の特別クラスだよな。

へぇ、河野くん頭良かったのか…。

なんだ、このヤンキーが野良猫に餌あげてるみたいな状況。

 

「河野くんって数学得意だったんだね。」

 

「あ〜、いつもはちまちま簡単な問題ばっかりだから眠くなるけど、今日は捻りのある問題で楽しかったな。」

 

頭の良い人っぽい発言だな…。

数学の得意な不良ってドラマの主人公みたいでなんだかカッコイイぞ。

 

「そういえばお前、なんでこんなところで飯食ってんだ?友達いないのか?」

 

おう…。

さすがは不良、普通にデリケートなこと聞いてくるな、本当のボッチだったら泣いてるぞ。

というか、河野くんこそ誰かと仲良くしてるところを見たことがない。

 

「いや、食事はひとりでゆっくり楽しみたいタイプだからさ。」

 

「お前…変わってんな……。」

 

河野くんは引き気味に答えた。

授業に夢中になって早弁し損ねたやつには言われたくない。

 

「ちょっと太郎!弁当箱見つかったの?」

 

知らない女の人が入ってきた、リボンの色からして3年生の先輩だな。

ちなみに、太郎というのは河野くんの下の名前だ。

全く不良っぽくない名前は河野くんのチャームポイントのひとつだと思う。

 

「ったく、うるせえな、見つかんねえよ。」

 

河野くん、先輩にもタメ口なのか凄いな…。

下の名前で呼ばれてるし、どういう関係なんだ。

 

「きっと誰か食いしん坊くんが持ってっちゃったんだよ。」

 

いや、どんなに食いしん坊でも、さすがに誰のか分からない弁当を食べないだろ。

 

「ほら、今日は私のお弁当分けてあげるから!」

 

「あ、あぁ。」

 

謎の女の先輩は、こちらには全く目も触れず、あっという間に河野くんを攫っていった。

……河野くんは気付いてなかったかもしれないけど、僕の位置からは女先輩の鞄の中から黄色の弁当箱が覗いているのが見えてしまった。

河野くん…モテるんだ……。

 

不良なのに数学が得意で、裏では女の先輩から世話を焼かれている──

河野くん、実は少女漫画の主人公キャラだったんだな。

 

 

 

ふと弁当を見ると、すっかりおかずだけを食べ切ってしまっていた。

河野くんの新たな一面に気を取られて、弁当の比率を乱されてしまったな…。

 

 

 

残されたご飯はなんだか甘い気がした。

狭くて広い、ばなし

最近は何かと忙しい日々が続きます。

寒いのに忙しいなんて、動き易くなってから行動すれば良いのに、人間の社会は地球生活向いてないんじゃないかな。

あ〜シロクマになりて〜。

 

 

 

「いやシロクマって寒い土地の生き物だし冬眠しないだろ」ってツッコミできた貴方には35点差し上げます。

シロクマが冬眠するのかしないのかは僕もよく知らないので、詳しい人が居たら教えてください。

 

 

 

忙しい日々にも関係なく人生はままならないもので、車の免許停止を受けました。

違反した自分が悪いというのは置いといて。

 

齢24で既に二度目の免許ってどうなのよ。

教習所に通っていた時の知り合い達の仲では一番上手って教官に言われてたんだけどな。

これもまた、ままならないね。

 

そういえば、教習所の呼び名って地方別に違うみたい。

歳納と同じ「教習所」と呼んでた人には18点あげます。

 

 

 

またすぐ話が脱線する。

 

 

そんなこんなで車の運転が出来なくなってしまったので、主にバスと電車を使ってます。

 

久しぶりにバスに乗ると登場人物が変わった感じがする。

あぁ、こんな人達がこの街に居たんだなって。

違う映画に出演しちゃったような気分。

 

そんな顔ぶれの中で、今まで登場してきていない、人生ままならないような人物がバスに乗ると

「ふとした瞬間、知らない場所に行きたくなる家出少年」

みたいで小説や漫画の話っぽいな、なんて考えながら、バスに揺られてる。

 

 

 

でも、三つか四つも先のバス停に行けば全然知らない場所に着いちゃって。

バスって目的地まで色んなバス停に寄り道するから、同じ街でも知らないようなとこ通るんだよ、知ってた?

 

 

知ってる街のバスに乗ったら知らない場所に簡単に行けるだなんて。

ずいぶん安上がりな「ふとした瞬間、知らない場所に行きたくなる家出少年」だなって笑っちゃった。

 

 

 

地球生活には向いてないけど、人間の社会もまだまだ捨てたもんじゃないね。

 

 

 

 

知らない場所で吸う煙草はいつもより美味い。

勇者の大川さん。

太陽様の日差しが窓を通して熱波を伝えてくる中、教室には先生が黒板にチョークを立てる音だけが聞こえる。

 

夏。

 

うちの学校は田舎だから、エアコンなんて便利なものはなくて茹だるような暑さだ。

大体このご時世にエアコンがないなんてどういう了見なんだろう。

3Cはどこにいった、今は令和だぞ。

 

しかし今日は静かだ。

いつもならコソコソとうるさいお調子者も、どうやら夏の暑さには勝てなかったらしい。

 

「…ねぇねぇ、これ。」

 

後ろの席の大川さんだ。

授業中に声をかけるような子ではなかったはずなのに珍しい。

 

「どうしたの?これ」

 

「後ろから回ってきたの。書いて回してって。」

 

チラッと教室の後ろを見てみると、一番後ろの席でお調子者の関谷くんがニヤニヤしている。

前言撤回。

どうやら夏の暑さもお調子者には勝てなかったらしい。

 

静かだと思ったらあいつが発案か。

全く、手紙を回して遊ぶなんて小学生までだろう。

手紙の中身は…しりとりか。

これでも僕はボキャブラリーは多いと自負している、しりとりはお手の物だ。

 

しりとり、りんご、ごりら……

 

〝ら、ランカ・リー?!〟

 

…っ危ない、声に出すところだった。

 

一体誰が一般的なしりとりで〝ランカ・リー〟を目にするだろうか。

というか、僕の前が〝ランカ・リー〟ってことは大川さんがこれを書いたのか…。

人は見かけによらないって本当なんだな。

 

この年頃ではオタク趣味は敬遠される傾向にあるし、それを堂々と書くなんて…勇者だ。

僕は心の中で大川さんのことを勇者さんと呼ぶことに決めた。

 

でも、これだと勇者さんが浮いてしまうな…

いや、普通に考えて浮くだろ、なんでこれ書いたんだよ。

仕方ない、ここは僕が一肌脱いであげるしかないか。

 

Re:ゼロから始める異世界生活

 

これでよし。

勇者さんの〝ランカ・リー〟より長いし目に入りやすくてインパクトもあるだろう。

これで回すにしても、前に回すと先生に気付かれそうだし隣で良いか。

 

「…鈴木くん、これ書いて回してほしいって。」

 

 

 

────しかし勇者さんにはびっくりしたな。

普段からあまり目立たない子だし自己主張もしない子だと思ってたんだけど、アニメ好きだったのか。

しかもランカ・リーって結構古いぞ。

相当コアなファンなんだろう。

なんたってしりとりに書くくらいだし…。

 

たしか勇者さんって吹奏楽部────

 

 

「……い!おい、聞いているのか!」

 

うるさいな。

誰だよ指されてるの、早く返事してやれよ。

この先生、一度怒ったら長いんだぞ。

 

「ねえ。」

 

勇者さんだ。

今度は一体どうしたと言うのだろう。

 

「指されてるよ。」

 

……!

僕が指されてるのか!

勇者さんのしりとりに悶々としていたから全然授業に集中してなかった。

どうしよう、どこ指されてるのか分かんないぞ。

 

「早く立って答えなさい。」

 

やばい、もう声が怒ってきてる。

そういえば、さっき勇者さんが指名されてるのを教えてくれた時、何か一緒に渡してきたな。

もしかして…!

これに答えが載っているのか!

ありがとう勇者さん!!

これでさっきのしりとりのフォローはチャラだ。

よし、この手紙の内容を答えれば───────

 

 

 

〝アイリスフィール・フォン・アインツベルン〟

 

 

 

───勇者さん…Fateも好きなんだ…。

しかもちゃっかり ン で終わらせてるし…。

 

 

 

 

 

 

僕は先生に怒られた。

休み時間の菅原くん。

昔昔あるところに菅原という少年が居ました。

菅原くんは声の大きな男の子で、いわゆるクラスの中心グループのひとり。

今日の休み時間もまた、クラスの違う子の机を椅子替わりに、クラス中に聞こえる声で話す菅原くんの声が聞こえる。

 

「でもさ〜やっぱ須藤のが可愛くね?」

 

「でも」から話し始めるのは菅原くんの口癖だ。

この否定から入る菅原くんの話はいつも癪に障る。

聞きたくないのに声が大きいからこの狭い教室では逃げ場がない。

 

「俺まじ須藤狙ってから、出会った時の第一印象もばっちりだしな。」

 

出た、第一印象の話だ。

菅原くんは見た目まあまあかっこいいから、あの顔に釣られる女が結構いる。

そんなものだから菅原くんは人からの第一印象が良いことをよく自慢する。

ちなみに僕は菅原くんのセンター分けが嫌いだ。

 

「ガチで人間は第一印象で決まっから。」

 

業腹だけど、この発言には同意だ。

僕の中では、嫌いなところを先に見つける部隊Aと好きなところを先に見つける部隊Bが競争していて、どっちの部隊が勝つかで今後のその人の印象が大体決まってる。

ちなみに僕は初対面の時から菅原くんのセンター分けが嫌いだった。

部隊Aよ、よくやった。

 

「一目惚れだよ、一目惚れ、俺基本毎回一目惚れされっからさ!」

 

今一目惚れって3回言ったな。

昨日見たドラマで俳優が語っていた、ひとつ嫌いなところを見つけてしまったらその人のことを好きになれないみたいなことが、今ピンと来た。

僕は菅原くんの “センター分け” が最初だったけれど、“「でも」から入る口癖” も “一目惚れって3回言うところ” も嫌いになってしまった。

あのドラマも良い事を言うな。

昨日たまたま見ただけだったけど、帰ったらしっかり最初から見返すことにしよう。

 

「まあ、間違いなくもう俺と須藤は恋人まで秒読みだな。」

 

 

〝キーンコーンカーンコーン〟

 

 

「ちっ、もう授業かよ、今日は須藤のこと誘うからお前らとは帰れねえから。」

 

よし、今日の休み時間も乗り切った。

嫌いなやつほど気になってしまうとはよく聞く話だけど、菅原くんの話を休み時間中聞いてしまった。

まあ、菅原くんの声がデカいせいだろう。

 

さて、次の授業は苦手な英語だ。

よく英語教師になれたなってくらい発音が気持ち悪い先生で、それも苦手な要因に一役かってる。

 

 

休み時間の菅原くんの話も相まって憂鬱になってきた。

今日は彼女に癒してもらうことにしよう。

 

 

 

ちなみに、須藤は僕の彼女だ。